好きな人ができて、
この歳になっても、中学生がするような初歩的な気持ちを体験し、
喜びや不安に、いちいち惑わされて、そわそわした日々を過ごしています。


会えるまでの時間を心待ちに過ごし、待ちに待った時間を普段と変わらずに過ごし、
離れた瞬間から、幸せであった時間を素直に過ごせなかったことにふーっ、と肩を落とし、
その時間と引き換えに得た、これまで意識することのなかった孤独や寂しさが落ち着くのをしばらく待っている。


進むというよりも、むしろ戻っているようなステップで、2人の時間を過ごして、
ひとつひとつ浮かんだ感情を、感じるままに感じて、
この感情の元や、この先に繋がり起こりえることを想像しようとしても、
それに捕われて目を向けることができない。
相手に気持ちをぶつけることに不安を感じ、
相手の気持ちをそのままに捉えることができなくて、また感じる余裕もないことに苛立ちを覚え、
相手に埋めてもらえない時間をどう過ごせばいいのか、途方に暮れてしまう。


また手の届かない存在になってしまうのが、とてもこわい。
穏やかな気持ちで好きでいられたら、どんなにかいいだろう。


こう書いてみると、あんまりいいことではないような気がするけど、
引きずっていた思いと、同じところからわいてくる気持ちの大きさと存在感に、正直感動している。
いい思い出も辛かった日々も重なってどうにも解きほぐせなかった気持ちに、
過去を肯定しながら、こんな風に同じ思いを重ねることができるなんて、想像できなかった。
この出会いと相手の存在を、否定することなんてできそうにない。
だからこそ、こんなにこわいのだ。