ザブン、って響きがいいなと思った。
夏らしくて。
もうめったに使う機会のない言葉。


trippenの秋冬がいつの間にか発表されている。
HermitとBoxerが素敵。
Hermitみたいに、イメージとしっくり合うデザインにはなかなか巡り会えない。
3部が読みたくなってきた。
あれ、どちらもレディースだ。


午後になって、家を出た。
天気予報では曇りだったのに、やっぱり雨が降ってきた。
霧雨。
僕が家を出ると雨が降り出すことが多いのは事実だけど、
僕が実際に雨を降らせているんだとしたら、それはすごいことだと思わないかな。
それとも、無意識に雨を予知して、さらに無意識にその瞬間を狙って出掛けようとしているのかな。
なんのために。
雨男・雨女は世界中にいるけど(たぶん)、
そういう集団行動には、大きいのか小さいのか、何かの意味や意図があったりするのかな。
そんなことは考えても仕方のないことだけど(でも突き詰めたら面白いかも)、
雨の人がいろんなところで雨を呼んだり、または呼ばれたりして、喜んだりしょげたりしてるのって、なんだかコミカルだ。
晴れだってそうだよ。


アクロス・ザ・ユニバースが見たかったけど、渋谷には行きたくなくて、
行くなら吉祥寺くらいがよくて、そこで見るならスカイクロラかな、と思って吉祥寺に行ったのに、
着いて看板を眺めていたら、足が元来た道を戻っていた。
ごめんね、でも今日は違う気がした。
どちらも今日じゃなかった。
西荻まで戻って、クワランカで本を読んだり、考え事をしたりしていた。
雨に濡れて体が冷えていたので、コーヒーをもう一杯注文した。
雨はどんどん強まっているのに、お客さんが絶えない不思議なお店。
店内でも地を打つ音が聞こえるくらいの雨。


雨が弱まったところで、クワランカを後にして、ハシゴでひなぎくへ。
お皿のふちに「HOPE」と彫ってあった。
カモミールの香りは、鼻の奥をくすぐり、堅くなった頭をぼやけさせる。
携帯じゃ、撮りきれなかったね。
雲の隙間に満月。


蓮をいただいた方の日記には、僕が思っていたことと同じようなことが書いてあった。
いただいておいて素直に喜べなかったのは悪いと思っていたし、
次に会ったときになんて言おうか、正直に言うべきか困っていた。
だから、同じような気持ちであることに、嬉しさとはまた違った感情が浮かんだ。
不安に対してほっとしたんじゃなくて、文字通りに、ほっとした、そして次に、安心した。
窓を開けると、湿気もなく、5月のような清々しさ。
そしてまた、週が明ける。


だりや荘 (文春文庫)

だりや荘 (文春文庫)

語り手による物語の進行に最後まで戸惑ったが、中心人物を誰にも寄せないことで、
それぞれの感情がどれも同じように浮き彫りになって、どの人物にも光があたり、影が落ちた。
本当に、感情が絡み合うと凶器のようだ。
割れたガラスに毒を塗って握っているよう。
1人を選んだから、誰かと話をしたくなる感情を消したい。