アーケードの七夕まつりを横目に、ひと駅分歩いて帰った。
ものすごい人ごみにくらくらして、すぐに道を外れて、いつの間にかいつも通りの帰りみち。
この格好では、雰囲気になじむ気も起きない。
最も、普段着でもはしゃぐほどに楽しむことなんてないんだけど。
近頃は、常に一歩退いた位置から眺めてる。
そこでは、静かに、冷静に、冷ややかな計算された判断しか下せない。
それは自分から見ても、他人から見ればもっとつまらない感情を呼び起こす一点で、
きっとそのうち、誰も僕の前を通らないようになるんだろうな。
寂しいとは思うけど、何を変えようという気も湧いてはこないのは、
肯定したい未来が見えてこないから。
歩みを進めて広げているようで、通り過ぎたところから、少しずつ回りが暗く暮夜けて、閉じてゆく。
今はそれを静観したい。


ご飯を食べて、1時間ほど走って、シャワーを浴びて、
洗濯をしながら強めのお酒を飲んで、頭を空っぽにしていても、まだこの時間。
食べ終わってすぐに走ったから、途中で気分が悪くなった。
もう大学の頃からは、随分時間が経ったものね。仕方がない。
テレビを置かず、特にすることを決めなければ、暗い部屋に帰ると、何もない床に、白いキャンバスが置いてある。
本を読む、今日あったことを思い出す、明日のことを考える、掃除をする。
そんななんでもない毎日に飽き飽きしている訳ではないけど、
もうひとつ望むとしたら、いい映画を回してくれる映画館のすぐ近くに住んでみたい。


たくさん書きたいことはあったのに、みんな忘れてしまった。


8月14日で、ラカーニャでのライブが終わってしまう。
漠然と眺めてきた2年半の時間を、別の形に昇華させる。
そんな必要があるような気がして、深く光の届かないところで、小さな泡が登ってははじけるのを感じる。