いつもどおり起きたのに、
なんとなく満員の電車に乗るのが嫌な気がして、少し遅れていくことにした。


いつもなら罪悪感がわいて、こんな気持ちは浮かぶだけですぐに思い直すのに、
今日は遅れていくことに、なんの迷いもなかった。
全然誇れることではないんだけど、迷いもせずに携帯をとった自分は、いつもとは違うかんじだ。


欲しい靴のリストを眺めたり、魚喃さんの短編集を読みながら、ぼーっと朝を過ごして、
吟遊詩人で、ベーコンチーズ、レンコンのパン、スコーンを買い、
途中の本屋でカメラ日和を買って、お金をおろして、電車に乗る。
1時間も遅らせたのに、電車は全然空いていなくて、いつもと同じ時間が流れる。
会社に行っても、今日に限って仕事も溜まっていない。
朝の1時間は、止まっていたのか、別の時間軸だったのか、
空白でもない、夢のような不思議な感覚。



午後からはバタバタして、作業をあやまったせいでリカバーに3時間もかかり、大幅なロス。
なんだかイライラしてしまって、首の後ろが重く、とても痛かった。


力と勢いで乗り切れるところが増えてきたのかもしれないけど、
最近の自分は、仕事に対して自分勝手な部分が増えてきている気がする。
少しずつ、謙虚に、静かに、戻していきたい。