音楽であったり、映画であったり、食事であったり、
今まで興味を持てていたことから、
それ自体が終わってしまったり、経済的な要因だったり、時間の都合であったり、
いろんな要因で自然と足が離れてしまってから、
ふと振り返ると、そもそも何がしたいのか、よくわからなくなってしまった。
空いた時間に思い出して、戻ってみても、
想像していた味と違っていたり、そもそも味がしなかったり、
ノイズにかき消されて、感覚がうまく働かない。
以前はどんな風に感じて、楽しんでいたのかも、よく思い出せない。
どんな顔をして、会いにいけると言うのだろう。


自分って、どんなふうだったんだろう。
今と昔は同じに見えますか?


すっかり空っぽになってしまったようで、ふと人に会うのが怖くなる。
以前だって、満ちていたとは言えないけれど、
感覚のない、足の着かないところに長く居ると、自分がどんな人間であったのかわからなくなる。
ひとりの時間を持て余し、
気分は沈むでもなく、浮かぶでもなく、空白で、
人と会うのも、嫌われたくない人に嫌われるのも怖い。
目に入るものに、何も感じない。
本のページも、1ページも進まない。


朝から少し気分が悪くて、ほとんどずっとうちに居た。
昨日、いつもより息があがってしまったのは、このせいなのかもしれない。
回復のため、ずっと食べたり飲んだりしていた。
スプートニクの恋人の、サスペンションの話を思い出していた。
この時間は、次にどこに繋がるんだろう。
そう、嫌われたくない人に嫌われるのがとても怖い。
この時間も自分も、刻々と変化して、常に違う形でまとまっていく。
今はそれだけ。