僕は、僕が僕のまま進んでいくのを誰にも咎められたり、止められたりしてはならない。
彼らから指し示された道を、彼らと僕の協議のもとに選ぶのは僕であり、僕でなければならない。


僕のまわりには僕を気遣ってくれていた人が実は意外とたくさんいて、
それに気付くことができなくて、でも、戻ってきた僕をあたたかく迎えてくれ、
そんな人たちにさえ、得体の知れない敵意(のようなもの)を向けていたことを恥ずかしく思うと同時に、
堅くひび割れた心はやわらかく解けて形を失った。


孤独や苛立ちに捕われる前の自分に戻れたような気がするし、不毛であったはずの時間なのに、
その頃よりも少し前に進めているような気がする。
僕はその人たちと過ごせることを幸せに思うし、どういう形であれ、僕は僕の思うことを伝えて、
その人たちと過ごすことで得たものと自らの意思のもとに、僕の意思を貫いていかなければならない。
振り返ると感じる、絶対的な安心感のもとに。


ほんとにね、たくさんいたの。


いつの間にかお盆も過ぎていて、道理で夜の風が涼しいわけだ。
今日は虫の声が静かに聞こえる。