朝の電車。
始発駅から乗るから、たまに座れたりする。
本から目を離して膝上の鞄に倒して、視線をそのまま遠くに投げると、
前に立つサラリーマンの足の間に、床に裸足で立つ女性の足が見えた。
少し低めのパンプスを足の内側に揃えて、その横に、爪先を少し外側に向けて、しっかりと立っている。
その立つ姿の堂々たるや。
揃えてあるのは、白地に黒のドット、黒のリボンの飾られたかわいらしい靴で、
行儀が悪いとか、そういう感情はぬきで、妙に感心してしまった。


金曜よる。
10時過ぎに最後に退出して、ちょうど帰り際に飲みに呼びだされて、
なんとなしに終電を逃し、朝になる。
なんとなし、だったから、正直帰りたかった。
今日のお金と時間でどれだけのことが出来たかな、とは考えちゃいけないのかな。
でもなあ。
仕事関係で飲むなら、仕事の本音の話をしたいと思う。
じゃないと、ちょっともったいない気がするのは、
感心なさすぎで、だめなんだろうなあ。