気がつくと、とても深い、落とし穴にも似た暗闇を抱いた影が、日常の至るところに落ちていて、
僕の方に、その手を少しずつ延ばしてきていた。
何年経っても歩み寄れなくて答えを見いだせないし、
助けを求めた呟きに、僕にはどうしたって相手を傷つけてしまう道しか見つけられない。


何もなかった生活が、少しずつ動き出そうとしていて、自分の一歩がとても怖くて、
行き詰まってため息をつくと、変化のない生活を懐かしんでしまうから、相変わらずだめだなと思う。
また同じことを繰り返すことはしたくない。
嘘をつくのも違うと感じる。
解放、収束。
扉の外、家の中。
対立の末の孤独、打ち明けた末の陽だまり。
どんな形であっても、何をしてもしなくても、答えは時間とともに固まってしまう。
そしてもう、もどらない。
ひとつひとつを積み上げて、これから先、どこに進むんだろう。