4日ほど、遠くから友達が泊まりにきていた。
これほど人と長く過ごしたのは、実家にいた時以来かもしれない。
しばらく1人の時間がなかったから、うまく自分に入っていけない。
ひとりの時間に空回りして、妙にそわそわする。
夕飯にと、冷蔵庫に何品か作っていってくれた。
自分のために作ってくれたもの、とてもありがたいものに感じた。
そこには味は関係ないんだけど、実際とてもおいしかった。
お互いのためを思えることが、とてもありがたいと思う。


多くの瞬間に、僕らは性別を越えた繋がりがあるような気もするし、
一瞬、本能のような深い部分が過れば、越えられるはずがないとも思ったりもする。
この数日の関係も、双子のように親友のように2人が近くにいられる時間も、
きっとこの性別の壁のせいで、時間の経過とともにいつかは叶わなくなってしまうのだと思うと、
僕の中に常にあるどうにもならない感情たちが煩わしく思えたりするのも相まって、
性ってやつはとても面倒だな、と思う。


台風は午前中の雨をすっかりどこかに連れていってしまって、
帰り道には月がまるく浮かんでいた。
明日も晴れるそうだから、夕飯の間に洗濯を済ませた。
太陽の下の洗濯物のことを考えると、夜のうちから気持ちがあたたまる。
走りにいく予定だったけど、指が思ったより痛くて、今日はやめておいた。
きっと汗がしみるし、お風呂に浸かるのもよくなさそうだ。


少しだけ、仕事の話。
小指が荒れて痛いからなのか、忙しかったり、終われば急に時間が空いたり、
本当にやらなきゃいけないと思っていることから逃げているからなのか、こちらもあまり落ち着いてない。
終わりが近いからなのかもしれない。
残された時間で、あとどのくらいのことができるんだろう。
ふとした瞬間に浮かんでくる、伝えてなかったこと、の多さと見えない部分の深さに目がくらむ。
そんなことを気にしなくても、ここはそれなりに回って流れていく。
自分がいた時間まで流れていってしまうことが怖いのかもしれない。
仲が良すぎることは馴れ合いを生んで、最近はそれが妙に鼻につく。
僕は、必要としている人には席を譲る。
でも、隣が空いていれば、それを強要されても応じないし、目線と手振りだけで隣を指し示す。
わからないことを面倒だからと言って資料も見ずに調べもしないのは、何の成長も生まないし、
本音を言えば、それはこちらの台詞だ。
一応、年齢を除けば一番上ではあるみたいだけど、多少の上下関係や性別は、この際関係ない。
そう思うから、多少感じが悪くなっても、思っていることをそのまま行動に移す。
そんな心持ちで、僕のまわりだけ、ちょっとピリピリしています。
こう書いてみると、利己的でない、とは言えないね。
みんな、がんばってるんだよ。
えーい、うるさい。


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