午後からは晴れるらしいが、今の空を見る限り、そんなことは信じられない。


春だからなのか、カメの甲羅が毎日のようにペラペラと取れて、少し体が軽くなってるような気もする。
この生き物全体を通じてなのかもしれないけど、この子は目が大きくて印象的で、
水槽の縁につかまって大きな黒目で部屋の中を見渡していて、そんな時にはよく目が合う。
「目を見れば何を考えているかわかる」というようなことを聞くけど、そんなことまではわからない。
でも、「なにかを考えているかいないか」くらいはわかるもので、
この目は、この目の奥には間違いなく何かを思っている。
今日はおとなしく暗い隅の方でじっとしている君には、何か悲しいことでもあったのかい?
さみしいのは、みんな一緒だよ。


小学校の頃、よく遊んでいた子と一緒に過ごした。
むかしは雨女ではなかったような気がするけど、雨を呼ぶ才能は後天的に授かるものなのかしら。
井の頭公園の「別れるボート」も、そんな関係でもない僕らには全然平気。
ひさしぶりに乗れて、気楽に楽しかった。
願わくば、陽のあたるなかで、本を読んだりできるくらい、ゆったりと乗りたかった。
お互いにもう15年近くの月日が過ぎてしまったけど、
柔らかな雰囲気と、たまにつんとすまして立っている姿が懐かしくて、あんまり変わらないね。
よく笑うから、無理をさせてしまっているのかと思う。
僕は、少しつまらない大人になってしまいました。
昔からだけどね、いろいろとへたくそなんだ。


今日は寒かったから、やっぱり夕方にはすっかり顔が熱くなってしまって、
帰ってすぐに着込んで、いそいそと週明けに向けての準備。
夕飯はいいものをとあたたかくして外に出ても、
満席のため、結局家で有り合わせをこしらえて食べることに。
ただ詰め込むだけの食事と割り切ってしまえば、、こんなに世界に失礼なことはない。
来週は、前半が勝負。
負けないぞ。



子供だった頃の毎日を思い出して、今と同じように、考えて選択して刻んできた日々を積み重ねた
小さな子も大人になった人も、幸せや不幸せと向かい合って、同じように生きているよ。
ただ昔は、どうしていいかわからなかった分、安易に逃げる道を選ばなかった。
ただ、一緒に過ごす人の温かさに支えられることで、日々を過ごしていた。
善悪の線引きや、理屈をこねることで、自らを正当化することを覚えてしまった今の自分は、
そんな思い込みを胸に、勝手に1人で立っていると思っている自分は、
本来の強さに引き出して生きる姿に、どうしたら戻れるんだろう。


なにげなく、昔はみんな子供だったんだ、と思いながらエンディングを眺めていたら、
テロップに星の王子様の引用が流れて、どきりとした。
All grown-ups were once children. Although few of them remember it. -The Little Prince-
今日でない日に、また見てみたいかも。
邦題は好きじゃないから、原題を。
All the invisible children.