31日と1日は実家で過ごして、初詣や親戚の家に挨拶に行ったりで、ばたばたと過ごす。
今年は家族の写真をたくさん撮った。
現像が楽しみ。
実家に戻るのもいいかな、と思う瞬間も何度かあって、
広いお風呂に入っている時、暖房がつけ放題なところ、ご飯が信じられないくらい出てくるところ、
その都度お箸をくわえたりして止まってしまう。
でもここにいると、考えが浅くなるような気がする。
足が重くなるような気がする。
今はまだ戻る時期じゃない。


帰ってきて、ひさしぶりに走ってみる。
走り終えて空を仰ぐと星がたくさん見えて、まぶしいくらいに瞬いていた。
走っている間は前か下しか見ていなくて、全然気がつかなかった。
街灯に目を移すとその光はすぐに見えなくなってしまうけど、
しばらくすると目は慣れて、東京の空でもこんなに星が見えることに驚いた。
今年は初日の出を見に行かなくて、そのかわり遅くまで起きていられて、
元旦の夜空にこのタイミングで出会えたことにあたまが空っぽになって、しばらくそのまま眺めていた。
アパートにはみんな帰省していて誰もいないし、こんな時間に人も通らないし、気にかけるものはなにもない。
走りすぎたからか、ひとつの星を見てると、他の星が横にすーっと動いたり回ったりして見える。
流れ星かと思った。
1年の初めの日。
日の出の厳かで希望あふれるイメージよりは、夜空のひっそりとした雰囲気の方がしっくりくる。
こんな夜がたくさんくれば。
この1年、1日の終わりを、こんなひっそりとした夜を、静かに迎えられればそれでいい。